【Review】Hurricane#1 “Melodic Rainbows”

Hurricane#1不屈の男アレックス・ロウが新たな相棒を引き連れ、シーンに戻ってきた!

 再始動後2枚目となる『Melodic Rainbows』は通算4作目にして初めて、どこを見渡してもアンディ・ベルの名前のないアルバム。

 自身を襲った病魔を「ぶっ殺してやるよ」と返り討ちするK.O.ソング “I Wanna Kill You”、1ラウンドからいいパンチが炸裂だ。さすがはアレックス、男が命をかけて挑む理由がここにある。リアリティある、ヒリヒリとしたサウンドだ。これは相当気合入れて臨まねば。
ブリティッシュ・ロックの系譜を感じるナンバー“Most Anything”は、開始57秒のチョーキングで脳を揺さぶられる。このかっこよさ!痺れてきた。
サイケでガレージィな“Liz Don’t Cry”は、ビートルズでいえばリボルバーあたりの雰囲気。
続く“Beat Me To The Gutter”は更にガレージィ、アルバム中随一の狂暴さでロックしているこのナンバーの後に、アコースティック・ギターが優しく響く“I Want You”。この落差にうっとりだ。アレックスはツンデレを知っているのか?冗談はさておき、アルバムの流れの中でも良いフックになってる曲だね。
さぁ、後半だ。アナログだったらB面の頭であろう“Never Be Free”、いかにもイギリスのバンドらしいミディアム・ヘビーなナンバー。カール・マリアーニ(G)のブルージィなテイストのリード・ギターも聴きどころ。
“What It Means To Me”は、歌に重きを置いたであろう曲。シンプルな演奏に乗る力強い歌声とハーモニーが堪能できる。前述した“I Want You”とかもだが、こういう”硬”一辺倒ではないところが、アレックスの魅力でもある。

勢いあるシンプルなロッキン・チューン ”Wanted”、ニューウェイブ的ポップさも感じさせる”LOL”の後は、このアルバムのタイトル・トラックでもある“Melodic Rainbows”。親交のあったモーターヘッドのレミーに捧げた美しいこの曲は、今作のハイライトの1つと言ってもいいだろう。ラスト1分半に及ぶスライド・ギターが、安息を祈るようにむせび泣いている。まるでレクイエムのようだ。アルバム最後は“If It Feels So Right”で穏やかに。

 聞けばこのアルバム、作曲に4日、レコーディング2日で作られたという。嘘のような本当の話だけど、アレックスの生き様を見れば、これは真実なんだと妙に納得。それこそ「人生に2テイク目なんてねぇんだよ。1テイクで決めろ!」って言ってるような気がする。これも1つの要因かもしれないが、今までのどの作品よりも「バンド」を感じる一体感あるサウンドだ。
 おそらく、アレックスはシリアスな現実と向き合っているのだろう。けれども、そんなことはおくびにも出さずにロックンロールしている。肝が座った男の強さ、音楽をやれる喜びが、虚飾を排している分ダイレクトに伝わってくる。こんなに、ヒリつくアルバムも久しぶりだ。

 レイト90sを文字通りハリケーンのごとく駆け抜けたHurricane#1は、たしかにアンディ・ベルが中心となって結成されたバンド。しかし、2016年の今、必死に屋号を守っているのは他でもない、アレックスだ。そう、このバンドはアレックス・ロウが新たに結成した最高のロック・バンド「Hurricane#1」なのだ。ノーガードで正々堂々と打ち合いを挑んできたアレックスの渾身の一撃、覚悟を決めて受けて立とうじゃないか。

『Melodic Rainbows』
発売日: 10月12日
価格: ¥2000(税抜)品番: ROUK002
Label: Rooster Records
01.I Wanna Kill You
02.Most Anything
03.Liz Don’t Cry
04.Beat Me To The Gutter
05.I Want You
06.Never Be Free
07.What It Means To Me
08.Wanted
09.LOL
10.Melodic Rainbows -Bonus Track-
11.It Feels So Right

Hurricane#1

『Hurricane#1 Japan Tour 2016』
Support Act : The Mayflowers

11/2水 京都 磔磔
11/3祝 大阪 Zeela
11/4金 名古屋 得三
11/5土 東京 チェルシーホテル

各日程の詳細は、ツアー特設サイトhttp://info13725.wixsite.com/hurricane1 にて、ご確認ください。