
2000年に1stアルバムを発表後も地道に活動を続けていた彼に、転機が訪れたのは2009年の春。いわずと知れたAppleのCEO、Steve Jobsが観光の為メンフィスのサン・スタジオ(ロックンロール、ロカビリーの聖地)を訪れた際、ツアーガイドを務めたのが当時メンフィスで活動をしていたDavid Brookings。彼の仕事ぶりをいたく気に入ったJobsは、後に彼をAppleのiTunes部門へと勧誘しました。それを受けカリフォルニアに移り住んだDavidは、業務の傍ら音楽活動を続け、2010年〜2011年には “record 209 Beatles songs in 209 days” と称して1日1曲ビートルズのカバーをYoutubeにアップしていきます。これが血となり肉となっているのは、以降の作品を聴けば明らかです。その後アルバム1枚を挟んで今年2016年、通算7作目のアルバムがこちらです。初となるバンド名義、過去のどの作品よりも演奏の一体感がある作品に仕上がっています。
Hearts、
Time to Goと出だしから美しいメロディー&ハーモニー、
The Optimistで聴けるキャッチーなサビ、バラードの
Don’t Stop to Doubt Yourself、キャッチーなギター・リフが耳に残る
This is the Lifeや
The Basement Room、アコースティックの響きが心地よい
Come Back Home…ビートリッシュなギター・ポップ・ナンバーが目白押しです。シングル・コイルのギターの音色も軽快で、楽曲の雰囲気にとてもマッチしています。派手なギミックや仰々しさがない分、メロディーの良さと音楽への誠実さが、まっすぐ伝わってきます。なんか、この人いい人なんだろうなぁ、そんな気持ちが湧いてくるんです。素朴な音なんですよね。きっと、そういうところにもJobsは惚れたのかもしれません。