【Review】Herb Eimerman “Five Dimensional Man”

herbイリノイ州といえばCheap Trick、いやいや、Shoesも忘れては困るよ ”Tomorrow Night”!という方、仰るとおりでございます。そんなパワーポップ聖地のひとつ、イリノイが生んだソングライターHerb Eimerman。同郷Shoesのギター&ボーカルJeff Murphyのプロデュースにより1990年にデビューして以来、IPOへの参加、JeffさんとのユニットThe Nerk Twins(The Small SquareのJohn Richardsonがドラムで参加)などなど、常にUSパワーポップの輝かしい王道を歩んでおります。現在はMagnus Karlsson (SWEDEN)、Joe Algeri(AUSTRALIA)と共に、何ともアメイジングな多国籍バンド「The Britannicas(60年代 ”3B” の影響を色濃く感じる素晴らしいバンドです!)」でも活動中のHerbさんが、デビュー25周年にあたる今年、ソロとしては実に9年ぶりとなるEP ”Five Dimensional Man” を届けてくれました。

全5曲中もっともハードなナンバーで、このEPの幕は開きます。Bob Mould的なUSインディーっぽさも感じる憂いのあるE-C-G-Dのイントロ、音塊の迫力、そしてサビの開放感、グッと引き込まれます。リッケンバッカー12弦の音色が全体を包むジャングリーな#2は私的フェイバリット。The Byrds直系の正統派サウンドが心地良い王道ソング。3分間の魔法がかかったメロディー&ハーモニー、とてもいいぞ!フォーキーで清涼感のある#3、思わず聴き入ってしまいます。使用されているアコースティックはGibsonのエヴァリー・ブラザーズ・モデル(J-180?)。美しく優しい歌詞も素敵です。無機質に歪んだギターで「ハードロック?インダストリアル?」なイントロの#4ですが、歌が始まればポップなメロディー&ハーモニー…でも、何か独特。異質なナンバーな筈なのに違和感なく溶け込んでしまうのは、どんなサウンドでもポップへと昇華させるHerbさんならではのアレンジ・センスあってこそ。ブラボーです!イントロで聴かれた印象的なギター・リフが要所要所でこの曲にサイケ感をプラス。こういうの、好きです。EPの最後を締めくくる#5、この名バラードはまさにタイトル通りの素敵なサムシングが生まれています。”Something”といえば、あのバンドのアノ曲が浮かぶ方が多いと思いますが、これを聴いた後はあなたの名曲辞典の ”S” 欄に、Herbさんの ”Something” も加わることでしょう。今作ではドラム以外のほとんどの楽器はHerbさんがプレイ(ドラムはThe Lemon ClocksのStefan Johansson)しているとのこと。
主な使用機材は、
・Rickenbacker 360 12 string(1991)
・Fender Jazz Bass(1963)
・Guild Acoustic/Electric jumbo bass(1999)
・Guild Acoustic/Electric 12 string(1999)
・Gibson Everly Acoustic 6 string(1997)
・Fender Strat(1990)
こだわりを感じる楽器が並んでいますね。プロデュースは盟友Joe Algeri。気心知れた仲間だからこそ、Herbさんの良さを最大限活かした音作りをしています。キャッチーでポップでちょっぴり野暮ったい(褒め言葉ですよ)、そんなパワーポップのマナーを踏襲しつつも、音楽的な幅の広さと懐の深さが堪能できる全5曲…もっと聴きたい!早くフル・アルバムを!

Track list
1. Just Wishful Thinking
2. Live To Tell
3. Believe That I Do
4. Sentimental In Berlin
5. Something

Release Date : 2015/08/28
Label : Egomaniac Music